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星記者: 重慶路を通って、遺構公園に到着しました。この公園は何かの遺跡のような感じがしますね。勝利お爺ちゃん、ここは何の場所だったんですか?
勝利お爺ちゃん: ここは場所全体が眷村の史跡で、昔はここに得勝新村があったんだ。今は勝利星村創意生活園区内の得勝区になってるよ。
星記者: どうしてここにあった家を修築しないで、公園にしたんでしょうか?
勝利お爺ちゃん: このあたりにあった家は、建物の根本的な箇所が破損していて、完全に修築するのがかなり難しかったんだ。それで、屏東県政府は建築士や文化遺産の専門家、芸術家、構造技師など、業種を越えて招いた専門家に協力を仰(あお)いで、この遺構公園を建設したんだよ。眷村の歴史的背景と変遷が保存できるのはもちろんのこと、芸術家が歴史的建築物を生かして創作することによって、インスタレーションが眷村に新たな命を吹き込んでくれるんだ!
P君: P君:この公園は台湾初の遺構公園なんだよ!
勝利お爺ちゃん: ここの建物の大部分は半分ぐらい取り壊されているから、建物の基礎や地坪(じつぼ)、間仕切りの壁とかが見られるよ。ここにある建物の骨組みや全体の構造を見ると、どうやって家を建てるのかがよくわかるんだ!
星記者: 眷村建築の解剖教室みたいですね!
勝利お爺ちゃん: そうだね!夜になるとライトアップされるから、建物の遺跡がカラフルになって、とってもきれいなんだよ!
P君: 昼と夜とでは、全然雰囲気が違うから、別の世界みたいだね!
星記者: 勝利お爺ちゃん、この辺の建物の塀にある青字に白の数字は何を表しているんでしょうか?
勝利お爺ちゃん: これは「国防部眷舎番号」だよ。国防部が全国の眷舎を一括管理していた頃の管理用の番号なんだ。この村の家には全て番号があったはずなんだけど、残念ながら、今はもう番号が何かに覆われたりして、見えなくなっている家が多いんだよ。永勝巷2号の羅文浩将軍の旧居は、屋根が重なったところの壁にこういう眷舎番号があったと思うよ!
P君: 前に大人が言ってたけど、昔、遺構公園になっている所は得勝新村があったって…
勝利お爺ちゃん: そうだよ。ここにある建物の壁には中国国民党のシンボルマークと、愛国という標語が書いてあるのが特色なんだ!
P君: 星さん、探してみようよ!ほら、あそこの壁になんか模様があるみたいだよ?
星記者: P君が言ってるのは、あの青い盾の形をした、表面に赤いVの字があって、その上に白い梅の花が描いてある、あの模様?
勝利お爺ちゃん: あれは中国青年軍の徽章(きしょう)だよ!1940年代、中華民国政府がまだ台湾に来ていなかった頃の話なんだけど、軍隊全体の水準を上げようとして、高等教育を受けた若者に従軍を奨励したんだよ。当時は各地の学生さんたちから大きな反響があってね。そうして編制された軍隊が中国青年軍だったんだ。
星記者: これって、ネットにいっぱい写真がアップされてる、あのレトロな大時計ですか?
勝利お爺ちゃん: この作品は「左折右折」っていうんだ。二つの大きな時計が左右対称に作られているんだよ。
星記者: 時計の歯車が見えるようになっているから、時間の流れがもっと強く感じられるような気がしますよ!
勝利お爺ちゃん: 君たちはこの時計が表している意味がわかるかな?
星記者: 見た感じ、一つの時計は普通に動いているようなので、時間を表しているんでしょう。もう一つの時計は時間を遡っているので、たぶん過去の記憶を表しているんでしょう。
勝利お爺ちゃん: その通りだよ!今、進んでいる時間は未来に向かっているけど、思い出は時間を逆行しないと現れないんだ。この二つの時計の間に立っている私たちは、今この時間こそが永遠だと感じられるんだ。
P君: 勝利お爺ちゃん、あの壁は飛行機の翼かな?僕がいつも遊んでる飛行機のプラモデルみたい。
星記者: ほんとだ。あれはプラモデル用パーツの拡大版だね!
勝利お爺ちゃん: 君たちの言う通りだよ。この作品は「飛行機を造る」と言うんだ。ここに残された建物の窓から見える風景と、プラモデルのパーツを組み合わせて、唯一無二の鉄製窓枠を作り出したんだよ。
P君: 僕は飛行機が大好きだけど、すごく怖いなって思うよ。
星記者: どうして?
P君: 飛行機の操縦ができる僕のお父さんはすごいと思うよ!だけど、いつも通り家を出た友達のお父さんが、家に帰って来なかったのを見たら、すごく心配になったんだ。だからいつも空を飛んでる飛行機をずっと見ながら、お父さんが帰ってくるのを待ってるんだよ!
勝利お爺ちゃん: 空軍の一家はみんなこんな感じなんだよ。どこの誰が帰って来なかったか、村のみんなが知ってるから、村全体で残された家族の世話をするんだ。お互いに助け合って暮らしているから、村全体が家族みたいなんだよ!
P君: ねえ、勝利お爺ちゃん、どうして地面に屋根の瓦があるの?
勝利お爺ちゃん: これはね、この遺構公園を造る時、ここにあった家から取り外した骨組みや屋根瓦(やねがわら)、屋根の棟(むね)、レンガ、それから、木製部材とかなんだよ。
星記者: ふだんは屋根の上の方まではよく見えませんけど、こうして地面に置いてあると、屋根瓦の形もよくわかりますね。触ると、建材の手触りも確かめられますね。
勝利お爺ちゃん: 和風の建物と言えば、やっぱり斜めになった屋根と黒い屋根瓦だよね。こういう波形の瓦はセメントで作られているんだ。焼く時に薪(まき)に燻(いぶ)されて、こんなふうな黒っぽい灰色になるんだよ。
P君: 真ん中にあるあの長いのは屋根の棟だよね。両側にある雲みたいな形のあれは何かなあ?
勝利お爺ちゃん: あれは日本の家の屋根によく付いている「鬼瓦」(おにがわら)だよ。特別な形の瓦なんだ。普通は一番高い棟の両端か、下の方にある屋根の端、屋根の四隅(よすみ)に付けられるんだ。厄除け(やくよけ)や招福(しょうふく)の意味があるそうだよ。文字や模様のある鬼瓦もあるよ!
星記者: なんて書いてあるんですか?
勝利お爺ちゃん: 勝利星村の鬼瓦には、「利益」の「益」という字が書いてあるね。この村の鬼瓦の中で一番特別なのは、「星」の模様の
星記者: さすが勝利星村独自の屋根瓦ですね!